11 『一つ』が書けない小学生?どん底・・・『一つ』が書けない小学生?ヤフーのネット配信ニュースを見ていたら、『一つ』が書けない小学2年生が約3割いると報じている。 また、「実り」を「みのり」と答えられなかった小学4年生と、「末は外交官に」の「末」を「すえ」と読めなかった小学5年生がそれぞれ4割に達するらしい。 子供の『漢字習得度』なんて問題になりそうだ。 では、次の文章のカタカナを漢字にしていただきたい。 「カンカマジゆるイクセイソウ ナナタビカサなるカンジョウの いさおのカゲにナミダあり ああイマはナきモノノフの ワラってチったそのココロ」 私は旧日本社会党シンパの自称社会主義者である。 でも軍歌が非常に好きだった。 だから『皇室が好きな社会主義者』って自分では言っている。 左右両派から非難されそうであるが・・・ コレは、その中でも一番お気に入りの軍歌『加藤隼戦闘隊(かとうはやぶさせんとうたい)』のサビの部分である。 唱の途中、台詞の独白になるコノ部分は、聴いていて非常に気持ちが良い。 でも何を言っているのか良く判らなかった。 「干戈交ゆる幾星霜 七度重なる感状の いさおの蔭に涙あり あゝ今は亡き武士の 笑って散ったその心」 と書くらしい。 まあ、漢字で書いた処で、今一つ、良く判らないが・・・ では・・・ 『加藤隼戦闘隊』の最後の歌詞。 下線の部分を読んでいただきたい。 「世界に誇る荒鷲の 翼のばせし幾千里 輝く伝統受けつぎて 新たに興す大アジア われらは皇軍戦闘隊」 私が就職した20数年前には、スナックのカラオケで『軍歌』を気持ち良く歌う50代のオッサンがよく居た。 画面に、この『歌詞』が出ると、 彼らは決まって・・・ 「・・・われらは『こうぐん』せんとうたい」 なんて歌っていたのである。 「・・・われらは『すめらぎ』せんとうたい」 が正しい。 多分、スナックのカラオケなんかで軍歌を歌うようなオッサンは、与謝野晶子の『君死にたもう事なかれ』なんて知らないんだろう。 この詩の中には、『天皇(すめらみこと)は御自らは・・』ってキッチリ書いてあるのに。 そして・・・ 私が就職して最初に配属された課の課長補佐。 「国境(こっきょう)の長いトンネルを抜けると、そこは雪国だった・・・」 なんて私が言ったら、 「日本に国境(こっきょう)が在る訳ないだろう」 って叱られた。 初めは冗談だと思っていたが、 『眼』がマジだった。 川端康成の『雪国』冒頭部分である。 『国境』は、確かに『こっきょう』と読むが、『くにざかい』の意味である。 課長補佐氏は、かつて日本国は、『越前』『越中』『越後』なんて幾つかの『くに』に分かれていたことすら知らなかったのだろうか。 そして『草いきれ(くさいきれ)』に『浅葱色(あさぎいろ)』や『鶯色(うぐいすいろ)』・・・ 「『鶯色(うぐいすいろ)』の画用紙を!」なんて教職員免許を持った人が言う。 『キレイな薄緑色』の『色紙』しかなかったので、 「無いみたいですね」って言ったら、 「その色です」って指差す。 確かに、その『色紙』には『鶯色(うぐいすいろ)』って書いてあった。 でも・・・ 『鶯』の色だから、本当は『灰色がかった緑褐色』の筈である。 『鶯』の羽の色は、決して『キレイな薄緑色』じゃなく『汚い褐色』なのだ。 何でこんなことになってしまったんだ? 文部省(文部科学省)が検閲?している教科書なんか使っているから、日本古来の言葉が消えてしまった。 そして『教養の欠片』さえもない周辺の大人達。 『馬鹿の一つ覚え』のように『漢字』と『よみ』を機械的に覚えさせる教育。 私は教科書で漢字を覚えた記憶がない。 ガキの頃から『本』を読んでいると『漢字』なんて自然に覚えるのだ。 その『漢字』=『言葉』が使われている情景と一緒に。 そして、『書物』は、一番最初の『難しい漢字』には、『ルビ』が振ってある。 二度目以降の同じ漢字には『ルビ』はない。 だから、ナントナク読めるようになる。 小学生の『漢字博士』でもあるまいし。 『漢字』の読み書き云々よりも大事なことがあるんじゃないか? 日本古来からの『美しい言葉』 一度失われた『言葉』なんて、二度と戻らないのだから。 |